やばいブログ

何がやばいのかは想像にお任せします。

【陰謀論】三浦春馬他殺説ビギナーズ・ガイド(その1)

2020年7月18日、俳優の三浦春馬さんが亡くなりました。それまでドラマ中心だった活動を映画や舞台など多角的に広げ始めていた時期の早すぎる死で、社会に大きな衝撃を与えました。

三浦春馬さんの死因は一般的に自殺と結論されています。ところが、死の直後からネット上では「自殺に見せかけた他殺であり、真犯人が隠匿されている」とする陰謀論が拡散しはじめました(陰謀論が形成された経緯については以前の記事で取り上げています)。

この陰謀論は生前の所属事務所だったアミューズによって否定されて以降も拡散し続け、やがて街頭でのチラシ配りやデモ行進といった現実世界での活動を行う集団を生み出し始めます。この集団は全国に千人規模の組織を形成し、現在も活発に活動を続けています。

コロナ禍以降、神真都Qや参政党など、陰謀論を主張の軸とした団体が数多生まれましたが、この集団はそれらと比べても特異な様相を持っている一方、あまり大々的に取り上げられることがありません。

そこで今回は、界隈を1年ほどウォッチしている筆者が、簡単なまとめを作成してみます。今からでも間に合う!三浦春馬陰謀論ガイドです。

(あの鈴木エイト氏も注目!)

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【フィクション】【やばい映画】『Revolution+1』感想 山上徹也は目覚まし時計を使わない

久々のブログ更新ですが、またやばい映画を観てきたので簡単に感想を書きたいと思います。

安倍晋三さんが殺害されて1年が経ちました。突然ですが、皆さんは昨年9月にこのような写真が話題になったのを覚えているでしょうか。

これは、9月27日に行われた安倍元首相の国葬の際に国会前に出現した、殺害犯である山上徹也のコスプレをした人たちです。当時「不謹慎だ」「ショルダーバッグも統一しろ」など各方面で炎上しましたが、実はこのコスプレ隊、ある映画監督の作品の宣伝をしています。

彼らが掲げている「銃」「銃弾」「武器」「銃口」「引金」と書かれた紙は、1971年に足立正生という監督が製作した『赤軍-PFLP 世界戦争宣言』というドキュメンタリー映画から採ったものです。「銃弾」が裏焼きになっているのは映画の演出。

足立正生は、左翼系映画監督の巨匠である若松孝二の片腕として映画界に入り、当時レバノンで活動を始めたばかりだった日本赤軍を取材、感化されてそのまま参加してしまい1997年に逮捕されるという経歴の持ち主です。その後も自主制作監督として数々の作品を発表しています。

そして山上コスプレ隊が出没したのと同日、渋谷のLoft9にて足立監督は新作の公開イベントに出演していました。その作品こそが、今回取り上げる『Revolution+1』。山上徹也をモデルにした人物が主人公の映画です。

作品紹介

公開の少し前に東京新聞などで存在が報道されるとSNSで大炎上し、一部の上映会場に抗議が殺到するなどした本作でしたが、その実態は事件直後に企画が始まり、9月27日の国葬当日に併せて公開するという超突貫工事で制作された低予算映画です。

なお、国葬当日に上映されたのは50分のラッシュ版で、今回筆者が鑑賞したのはそこから30分ほどシーンを付け足した完成版。パンフレットには、ほとんどのロケを撮影監督の自宅で行ったなどの裏エピソードなどが満載で読み応えがありました。

これまで「やばい映画」で取り上げてきた参政党の映画や幸福の科学映画と違い、有田芳生さんや望月衣塑子さんなど錚錚たる著名人が評価している作品なので茶化すのも若干気が引けますが、筆者は記事を書くために本作を3回も鑑賞したのでとりあえず内容をまとめていきたいと思います。

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【陰謀論】クイズで振り返るカルトニュース2022

2022年にカルトウォッチャー界隈で話題になった出来事の中からクイズを作ってみました。一般問題に加え、特に話題になった団体4つをピックアップしています。是非挑戦してみてください。

番号順に難しくなっている感じに並べましたが独断なのであまり気にしないでください。なお、日付は断りない場合全て2022年です。

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【陰謀論】神真都Q裁判傍聴録(その2)

前回の続きです。

前回は、裁判についての概略と、神真都Qという集団の成り立ちや事件の経過についてまとめました。神真都Qは活動の多くの部分を誰でも閲覧できるオープンチャットなどで堂々と話し合っていたので、この辺の情報はウォッチャーにとっては既知のものが多かったかと思います。

今回は証言内容の紹介によりウェイトをおいて、組織のよりディープな部分について論じてみたいと思います。

(筆者撮影、10月16日)

※メモは証言の大部を記録し、書き起こしの際に記憶をもとに補完したものですので、一言一句同じ発言があったわけではありません。

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【陰謀論】神真都Q裁判傍聴録(その1)

今月1日、反ワクチン団体「神真都Q会」のメンバー8人がワクチン接種会場の業務を妨害した疑いで逮捕され、団体の拠点となっていた建物が家宅捜索されるというニュースが入ってきました。

神真都Q(やまとキュー)は昨年10月頃、岡本一兵衛(本名:倉岡宏行)と甲兄(本名:村井大介)を中心に結成された集団で、新型コロナウイルスワクチンへの反対のみならず、「世界は爬虫類型宇宙人を中心とする闇の勢力ディープステートに裏から支配されており、自分たちは光の勢力の支援を受けた戦士である」とするQアノンに類似した陰謀論的反社会思想を持ったカルト集団です。

彼らは今年の1月から月一、二回のデモ行進を中心に活動していましたが、3月に静岡のメンバーが接種会場に押し入って業務を妨害する行為(今回摘発された事件)を始めてから東京でも同様の活動が行われ、今回を含めこれまでに合計17人が逮捕され、6人が起訴されています(さらに法人代表の村井大介の起訴が決定したとの報あり)。

この内、倉岡をはじめ5人の中心メンバーを裁いた公判が先月の17日に結審しましたが、筆者はこの裁判を傍聴してまいりましたので、現場で取ったメモをもとに内容を振り返っていきたいと思います。

(筆者撮影、7月12日)

※メモは証言の大部を記録し、書き起こしの際に記憶をもとに補完したものですので、一言一句同じ発言があったわけではありません。

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【フィクション】【やばい映画】『呪い返し師—塩子誕生』感想 そんなに息子が嫌いになったのか、エル・カンターレ

※17000字くらいある記事なので先に書いておきますが、特にウルトラマンネタはありません。

「やばい映画」第二弾です。幸福の科学制作映画呪い返し師―塩子誕生』を鑑賞しましたので、感想を書いていきます。

作品紹介

幸福の科学制作の最新映画です。幸福の科学は90年代からコンスタントに映画を作り続けていることで有名で、公開作品は本作含め25本を数えます。

幸福の科学映画といえばかつてはアニメ作品が主体でした。2009年に公開された、大川隆法池田大作のサイキックバトルを描く『仏陀再誕』などが有名ですね(って書くと面白そうに見えますが実際は普通につまらないです)。

ところが、2017年に公開された『君のまなざし』を皮切りに、幸福の科学実写作品を積極的に制作していきます。これ以降毎年、多い時には年2本というペースで作品が公開されていますが、アニメ作品は『宇宙の法』シリーズの2本のみで、それ以外は全て実写です。

その『君のまなざし』を監督し、本作でもメガホンを取ったのが赤羽博という人物。ドラマ好きの方なら名前にピンとくるかも知れません。何を隠そう、赤羽監督はあの反町隆史主演のドラマ『GTO』を始め、多数のTVドラマを手掛けた大ベテランの映像作家なのです。

これ以降、赤羽監督は本作を含め実に5本もの幸福の科学映画を撮っています。パンフレットや各種メディアでの発言を見るとかなりシンパシーがあるように見えますが、信者なのかはわかりません。

2017年には女優の清水富美加幸福の科学に出家し「千眼美子」(せんげんよしこ)なる法名を受けるという事件も起きています。また、その翌年にはこれまでアニメ作品を積極的に手掛けていた大川隆法の長男が脱会しており、このような理由から幸福映画を取り巻く環境は大転換したのですね。

本作はそんな新時代の幸福映画の最新の一本。既に主要な映画館からはすずめの大群の飛来によってあっけなく絶滅してしまったこともありますので、以下ネタバレ全開で内容と感想を紹介します。

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