やばいブログ

何がやばいのかは想像にお任せします。

【陰謀論】日本とQアノンを結ぶ70年前の宇宙人

神真都Q」(やまとキュー)という団体が、新型コロナウイルスワクチンの接種会場に侵入し、これまでに5人の逮捕者と本部の家宅捜索を受けています。

神真都Qは単なる反ワクチン集団ではなく、現在の世界秩序を否定し、体制の打倒を目指している反社会的集団です。彼らはアメリカの陰謀論集団であるQアノンの日本支部を標榜し、ドナルド・トランプ元大統領とともに世界を影から支配する闇の組織と戦っていると信じています。

一方で、神真都Qの主張は本来のQアノンとはかけ離れた内容であることがしばしば指摘されています。また、神真都Q以前から日本のQアノンとして活動していた団体もあり、日本はアメリカに次いでQアノンの支持者が多いこともわかっています。

日本におけるQアノンの広がりについて調べていくと、ある70年前の宇宙人事件の流れを引き継ぐカルト集団の存在が浮かび上がりました。

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【ドキュメンタリー】【映画】【TBSドキュメンタリー映画祭】『戦争の狂気 中東特派員が見た中東和平の現実』感想 日常の中の戦争

ヒューマントラストシネマ渋谷にて3月18日から一週間行われた「TBSドキュメンタリー映画」から、筆者の鑑賞した3作品の感想を書いていきたいと思います。

今回は最後に観た『戦争の狂気 中東特派員が見た中東和平の現実』です。

TBSドキュメンタリー映画祭とは?

2020年、TBSが制作・公開した『三島由紀夫vs東大全共闘 〜50年目の真実〜』というドキュメンタリー映画がありました。

1969年に東大本郷キャンパスで行われた三島由紀夫全共闘学生らの討論を撮影した実際のフィルムをメインに、追加取材を交えて当時を振り返る内容でしたが、話題を呼び興行収入2億円という本邦のドキュメンタリーとしては超の付く大ヒットを記録します。

勢いづいたTBSは「TBS DOCS」というドキュメンタリー専門の部署を設立、新たな作品の制作に力を入れていきます。その発表の場として去年から開催されているのが「TBSドキュメンタリー映画祭」なのです。

日本は海外に比べドキュメンタリー映画の土壌が整っていないので、ドキュメンタリー好きの筆者としてはこれを期に層が厚くなってくれればいいなあと思っています。

作品紹介

本作は、2021年5月にイスラエルパレスチナの間で11日間行われた紛争を、当時その真っ直中で取材していたジャーナリストの視点から追ったドキュメンタリーです。

前半はイスラエル国内でミサイルが飛び交う中の人々の生活の取材、後半は停戦後のパレスチナに入り、イスラエルが犯した戦争犯罪についての調査報道という構成になっています。

現場の取材映像と撮り下ろしのインタビュー、当時のニュース番組などを交互に見せていく構成で、欧米のドキュメンタリーに近い編集となっています。TV局はこういうことができるのがいいですよね。

  • ちなみに、取材映像の大部分はYoutubeで公開されています。記事の最後にリンクを貼っておきますので興味のある方はご覧になってみてください。

監督の須賀川氏は中東を中心に活動するジャーナリストで、2022年には国際報道における賞であるボーン・上田記念国際記者賞を受賞しています。

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【ドキュメンタリー】【映画】【TBSドキュメンタリー映画祭】『完黙 中村喜四郎〜逮捕と選挙』感想 選挙を愛し、選挙に愛された男

ヒューマントラストシネマ渋谷にて3月18日から一週間行われた「TBSドキュメンタリー映画」から、筆者の鑑賞した3作品の感想を書いていきたいと思います。

今回は2番目に観た『完黙 中村喜四郎〜逮捕と選挙』です。

TBSドキュメンタリー映画祭とは?

2020年、TBSが制作・公開した『三島由紀夫vs東大全共闘 〜50年目の真実〜』というドキュメンタリー映画がありました。

1969年に東大本郷キャンパスで行われた三島由紀夫全共闘学生らの討論を撮影した実際のフィルムをメインに、追加取材を交えて当時を振り返る内容でしたが、話題を呼び興行収入2億円という本邦のドキュメンタリーとしては超の付く大ヒットを記録します。

勢いづいたTBSは「TBS DOCS」というドキュメンタリー専門の部署を設立、新たな作品の制作に力を入れていきます。その発表の場として去年から開催されているのが「TBSドキュメンタリー映画祭」なのです。

日本は海外に比べドキュメンタリー映画の土壌が整っていないので、ドキュメンタリー好きの筆者としてはこれを期に層が厚くなってくれればいいなあと思っています。

作品紹介

本作は、空前絶後国会議員、中村喜四郎の半生を追ったドキュメンタリーです。

中村喜四郎は茨城7区で活動する衆議院議員で、かつては科学技術庁長官や建設大臣を務めましたが、1994年のゼネコン汚職事件に関与し、議員辞職も事情聴取も拒んだ末現職国会議員として27年ぶりに逮捕されるという記録を作ってしまいました。

中村の最大の特徴は選挙での圧倒的な強さで、これまで出馬した15回の選挙のうち14回で選挙区当選しています。特に出所後の17年間は無所属で要職にも就かず議員立法にも関与しない、つまり実質何もしていないにも関わらず当選を繰り返しました。

また、ゼネコン汚職事件での逮捕時、中村は取り調べに完全黙秘を貫き、以降マスコミの取材にも一切応じず、国会での発言も一度のみという修行僧のような生活をしていました。

  • 中村には公式ホームページがありますが、こちらもビックリするほどこざっぱりした状態です。衝撃を受けると思うので一度ご覧になってみてください。

そんな中村でしたが、2019年に初めて書籍インタビューに応じ、2020年に立憲民主党に入党、そして昨年の衆院選で15回目にして初の選挙区落選を経験するという大きな動きがありました(その後比例区で復活)。

本作はその激動の最中に撮影された中村のインタビュー映像と、TBSの保管する過去の映像などを用いたドキュメンタリーとなっています。監督はTBSラジオで記者を務め「国会王子」の異名で有名な武田一顯氏です。

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【ドキュメンタリー】【映画】【TBSドキュメンタリー映画祭】『日の丸 〜それは今なのかもしれない〜』感想 「ドキュメンタリー」ってこれだ!

ヒューマントラストシネマ渋谷にて3月21日から一週間行われた「TBSドキュメンタリー映画」から、筆者の鑑賞した3作品の感想を書いていきたいと思います。

今回は最初に観た『日の丸 〜それは今なのかもしれない〜』です。

TBSドキュメンタリー映画祭とは?

2020年、TBSが制作・公開した『三島由紀夫vs東大全共闘 〜50年目の真実〜』というドキュメンタリー映画がありました。

1969年に東大本郷キャンパスで行われた三島由紀夫全共闘学生らの討論を撮影した実際のフィルムをメインに、追加取材を交えて当時を振り返る内容でしたが、話題を呼び興行収入2億円という本邦のドキュメンタリーとしては超の付く大ヒットを記録します。

勢いづいたTBSは「TBS DOCS」というドキュメンタリー専門の部署を設立、新たな作品の制作に力を入れていきます。その発表の場として去年から開催されているのが「TBSドキュメンタリー映画祭」なのです。

日本は海外に比べドキュメンタリー映画の土壌が整っていないので、ドキュメンタリー好きの筆者としてはこれを期に層が厚くなってくれればいいなあと思っています。

作品紹介

本作は、今から55年前の1967年にTBSで放送された『日の丸』というドキュメンタリー番組を取り上げた映画です。

『日の丸』は寺山修司が構成を務め、萩元晴彦という当時の気鋭のプロデューサーが制作したもので、番組の全編が不特定多数の人々への街頭インタビューのみで構成されているという非常に特殊な内容でした。

質問の内容は「日の丸の赤は何の赤だと思いますか?」「日の丸が日本の国旗であることに誇りを持てますか?」「祖国と家庭どちらを愛していますか?」などといった、人々に対し自らの愛国心を直接問うような過激なものでした。

この映画は、そんな『日の丸』と全く同じインタビューを55年後の現在の日本で行ったらどうなるのか?というコンセプトを出発点に、「日本人」というアイデンティティや、当時の寺山・萩元両名が番組に込めた思いについて探っていく内容となっています。

ちなみに、監督の佐井大紀氏は元々ドラマ制作部出身で、本作が初ドキュメンタリーなんだそうです。少しずつドキュメンタリー参入への敷居が低くなっているのかもしれませんね。

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【ドキュメンタリー】【映画】『チェチェンへようこそ―ゲイの粛清―』感想 「秘密」に「個」が押し潰されないために

現在公開中のドキュメンタリー映画チェチェンへようこそ―ゲイの粛清―』を鑑賞しました。

作品紹介

本作は、ロシア連邦の加盟国の一つのチェチェン共和国で2017年から行われている国家ぐるみの同性愛者弾圧の実態を、その抵抗活動を行う組織に密着して描いた作品です。

この組織は、救援を求める同性愛者と密かに連絡を取り、当局の追跡を躱しながら国外へと脱出させる活動を行っています。当然ながら、メンバーの身元も容姿も明かすことが出来ません。

通常こういうケースでは、出演者の顔にモザイクをかけ、ボイスチェンジャーで声を隠す措置を取るわけですが、本作の監督は全く別の新しい方法を取りました。

制作チームは事前に協力者を募り、許可を得て顔と声のサンプルを収録。深層学習技術を利用して取材映像の顔と声にサンプルを合成したのです。

深層学習を使って別人の顔と動きを合成する技術は「ディープフェイク」と呼ばれ、フェイク映像の拡散など悪用が懸念されていますが、本作の監督はこれを「フェイスダブル」「ボイスダブル」と名付け、プライバシーを保護するための技術として活用しています。

このように、本作は内容の過激さと共に技術的な面でも注目を集めているドキュメンタリーです。

以下に内容と感想を書いていきます。

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【ドキュメンタリー】【配信】『ルラ・リッチ 〜LuLaRoeの光と影〜』感想 人が「商品」にされるマルチ商法

【ドキュメンタリー】【配信】『ルラ・リッチ 〜LuLaRoeの光と影〜』感想 人が「商品」にされるマルチ商法

Amazon Prime Videoで配信中の「ルラ・リッチ」というドキュメンタリービデオを観たので、感想を書いてみます。

作品紹介

  • タイトル:『ルラ・リッチ 〜LuLaRoeの光と影〜』 (原題:LuLaRich)
  • 制作:アメリカ、2021
  • 監督:ジェナー・ファースト、ジュリア・ネイソン
  • 配信URL:https://www.amazon.jp/dp/B09F713RT6

本作は、2013年に誕生し数万人もの会員を抱えたものの、限界を超えた急成長に耐えきれずわずか数年で訴訟にまで発展したマルチ商法企業、ルラローを取り上げた作品です。全4回で、1本あたりおよそ45分ほどで観れます。

被害者のインタビューや膨大な資料映像、内部ビデオなどを使ってテンポよく編集されています。マルチに嵌ってしまう人の心理や勧誘手段、問題点など手堅くまとまっており、またSNSを活用した現代的なマルチの手法について知ることもでき、勉強になると思います。ポップな雰囲気の見やすい映像なので、大学とかで流したら良さそうです。

本作の見どころは、ルラローの創業者であるスティダム夫妻が自ら出演し、インタビューに答えている点です。夫妻の言い分と実態のギャップが映像の中で次々に暴かれていく構成になっています。

以下に内容と感想を書いていきます。

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