ポレポレ東中野にて先月29日に千秋楽を迎えた『香川1区』について、上映後に行われたトークイベントを含めた感想を書いていきたいと思います。
作品紹介
- タイトル:『香川1区』
- 監督:大島新
- 制作:日本、2022
- 配給HP:https://www.kagawa1ku.com/
立憲民主党所属の衆議院議員である小川淳也の選挙活動を追った作品です。
大島監督は2020年に同じく小川淳也を扱った『なぜ君は総理大臣になれないのか』(通称『なぜ君』)を制作しており、本作はいわば「続編」にあたります。『なぜ君』はドキュメンタリーとしては異例の観客動員3万5000人を超える大ヒット作で、本作も満を持して全国数十の劇場で公開されました。
『なぜ君』及び本作は政治家を扱うドキュメンタリーですが、小川の政治思想や政策議論などはほとんど映されません。以前紹介した『完黙』と同様、あくまで選挙に関するドキュメンタリー映画です。
一見してわかる本作の特徴は、「早さ」と「長さ」です。本編では小川が立憲民主党の代表選に挑むまでが描かれていますが、代表選があったのは2021年11月30日で、本作の公開日は12月24日。撮影終了から公開までわずか3週間半という超速公開でした。
パンフレットによると、監督は映像を撮ったそばからスタジオに送って同時並行で編集作業を行っていたそうです。超重労働!
さらに言えば、パンフレットには代表選の翌日に発表された小川の政調会長就任まで記載されています。
そして、本作の上映時間はドキュメンタリーどころか映画一般からしても長尺の部類に入る156分。シン・エヴァンゲリオンとほぼ同じ長さです。
しかし、内容はそんな慌ただしさや長さを感じさせない、「日本の選挙」というものを描ききった傑作に仕上がっていると言えます。以下、感想を書いていきます。
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